ドイツといえばビールのイメージが強い方も多いかもしれませんが、ワイン文化は古くからあり、世界各地で親しまれています。多様な気候や土壌、ブドウ品種、そして個性あふれる造り手による魅力的なワインが造られています。そんなドイツ・ワインの代表的な産地と銘柄を紹介していきます。


1.ラインガウ(Rheingau

フランクフルトから車で約1時間でライン川沿いの小さな町、Rüdesheim am Rhein。ワインレストランやお土産店で賑わうDrosselgasse(ドロッセルガッセ)は年間800万人の人が訪れるとか。ライン川はこの町のあたりで北へ急カーブを描くため、その急斜面のブドウ畑はほぼすべてが南向き。ぶどう畑に聳え立つSCHLOSS JOHANNISBERG(シュロス ヨハニスベルク)は、その昔から緯度50度ながらライン川の反射光と後方のタウノスの山に守られ比較的温暖、ここで作られる酸のしっかりしたRIESLING(リースリング)で世界的に有名です。酸味の素晴らしいSPÄTBURGUNDER(シュぺートブルグンダー)、そしてトラディショナル瓶内二次発酵で作られるWINZERSEKT(ヴィンツァーゼクト)もぜひご堪能ください。

栽培品種
リースリング
シュペートブルグンダー = ピノノワール

2.モーゼル(Mosel

フランクフルトから車で2時間ほどのところにあるワインの町、BERNKASTELの辺りはモーゼルワイナリーの強者がその名を並べます。モーゼルワインはモーゼル川とその支流ザール川、ルーヴァー川沿いの急傾斜のぶどう畑で作られる、クールクライメットのエレガントでアルコール度の低い目のRIESLINGが特徴。急斜面のため収穫は大半が手摘み作業となります。モーゼルリースリングは遅摘み、貴腐ワイン、マイナス7度以下で収穫される凍って砂糖が凝縮したブドウをひとつひとつ摘んで作られるEISWEINまでその甘さのグレードも豊富です。

栽培品種
リースリング、ミュラー・トゥルガウ(=リヴァーナー)、エルプリング、ケルナー
シュペートブルグンダー、ドルンフェルダー

3.ラインヘッセン(Rheinhessen)

ドイツで1番大きな生産地となり。面積は約26.600ha、フランクフルトから車で約1時間余り、ローマ人の都市マインツからライン川を南に下った左岸に位置します。現在は第二世代、三世代目の若く、斬新的な作り手が多い地域です。ぶどう畑は比較的平坦で日当たりは抜群。

栽培品種
リースリング、ミュラー・トゥルガウ
シュペートブルグンダー、ドルンフェルダー、ポルトギーザー

4.ミッテルライン(Mittelrhein)

フランクフルトから車で1時間15分ほど行くと、そのケルト語の名前の由来”Baccaracum“からバッカスの地、神殿、とも言われる木組みの家のかわいい街Bacharach(バッハラッハ)に到着。このあたりの畑は急斜面で栽培は困難、ワイン漫画、神の雫にも登場したような、小規模ですが素晴らしい作り手達のいる産地です。Unesco世界遺産指定のライン川渓谷沿いの古城や廃墟とその周りにあるブドウ畑のすばらしい景色を堪能して頂けます。RIESLINGはミネラル感豊富です、ぜひご堪能!

栽培品種
リースリング、ミュラー・トゥルガウ
シュペートブルグンダー

紹介者: プロフィール

安居 眞粧美(やすいまさみ)

Messe&Travel Coordination - Founder

2003年から商用、レジャーの旅のパーツの手配のお手伝いをしています。その一環のSlow Wine Travel in Europeはエコマインドのワイナリーやぶどう畑をエコマインドのお客様と巡るグリーンワインツアーです。旅行記、畑の様子をサイトにあげています。 ドイツワインアドバイザー(German Wine Institute認定)2020年夏より、畑の剪定作業を手伝いながらWSET Diplomaコース習学中。
Web: https://grandcruexperiences.eu