紀元前から自生の品種によるぶどう栽培が行われ、東欧の中でも長い歴史をもつワイン名産国。本格的なぶどう栽培とワイン造りはローマ人によって伝えられ、ドナウ河にそって栽培地が広がってきました。代表的なワイン産地であるトカイ地方、そして首都ブダペストとトカイの中間に位置するエゲル地方についてご紹介します。
1.トカイ(Tokaj)
トカイのワイン産地は、ハンガリーの北東部、ゼンプレーン山脈の南の麓にあります。長さ87km、幅3〜4 km、面積は88124ヘクタールです。トカイワイン産地は2002年にユネスコにより世界遺産として登録されました。ワイン産地の中心地はトカイ街です。この街は、数百年にもわたるワインの伝統と特別な建築で有名です。この地域で最も重要なワインであるアスーは、昔の技術を使用して作られています。貴腐ワインは壁が高貴なカビで覆われた、数百メートルの長さの迷路のようなセラーの中に木製の樽で熟成されています。最高品質のトカイワインは、トカイ、タルツァル、トルチヴァ、マード、ヘルセグクート村周辺で作られています。17世紀のフランス国王、ルイ14世により「トカイワインはワインの王様であり、王様のワインである」と称されたほど。この荘厳なハンガリーワインが確かに世界中の国王、ローマ法王、貴族たち、偉大な方々のテーブルに置かれてあったことは事実です。
2.エゲル(Eger)
エゲルワイン産地は、ハンガリーの歴史的なワイン産地の1つです。ハンガリーの東北部、ヘベシュ県にあり、現在、ブドウ園の総面積は約6000ヘクタールです。ワイン産地の中心都市はエゲル市であり、それに他の19の村が属しています。ワイン産地のブドウ栽培とワイン文化は約1000年前にさかのぼり、ここに住む人々の生活に根付いてきました。エゲルには1004年にイシュトヴァーン1世によって司教館が設立され、その周りに都市が発展し、今では大聖堂、旧市街、城などは有名な観光名所になっています。ブドウ畑とワインセラーは「美女の谷」と言う郊外のところに位置しています。エゲルの最も有名な赤ワインであるBikaver「雄牛の血」は、いくつかの青ブドウ品種で作られたキュヴェです。エゲルの伝説によると、「雄牛の血」との名前はトルコ時代に由来します。1552年にエゲル城がオスマントルコに包囲されたとき、城主のドボー氏は城を守るハンガリー人の兵隊たちを強化するため、皆に赤ワインを飲ませました。トルコ人は、ハンガリー人がその飲み物から力を得たのを目の当たりにし、敵が飲んだあの赤い液体は雄牛の血であると考えたのだとか。彼らはその後、ハンガリー人と戦うことさえあえてしませんでした。
紹介者: プロフィール
Meszaros Katalin(メーサーロシュ・カタリン)
大平原トラベル社代表
弊社は日本のお客様のハンガリー旅行を手配させていただくためのハンガリーの専門旅行会社です。ハンガリー政府観光庁の厳しい審査を経て、1992年に設立創業以来『日本のお客様のハンガリー旅行のお手伝い』ひとすじに営業を続けて参りました。旅行の良し悪しが決まるのは、何と言っても〝現地ガイド〟!日本人と何ら変わりなく流暢に日本語を話すのは勿論のこと、これまで数多くの日本からのお客様をご案内した経験豊かなハンガリー人社員・ガイドが、皆様のハンガリー旅行のお手伝いをさせていただきます。
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