スペインはフランスやイタリアに並ぶ有数のワイン生産国で、ぶどうの作付け面積は世界でトップにランキングされています。多様な地形からなる国土で造られるスペインワインは、地区ごとに個性的な味わいを楽しめるのが特長です。そんなスペイン・ワインの代表的な産地と銘柄を紹介していきます。


1.リオハ(Rioja)

リオハ州とバスク地方で作られるワインで、土壌は石灰質なので雨が降っても葡萄に影響を与えません。リオハワインは16世紀には名が知られていて、18世紀に葡萄収穫者の組合が発足されています。リオハを発展させた一因に19世紀のフィロキセラによって壊滅したボルドーのワイン造りの職人達がリオハに移住したことで、彼らがワイン作りの技術に貢献しました。葡萄の種類は、赤ワイン用がテンプラニーリョが主でその他にガルナッチャ、マスエロ、グラシアで白ワインにはヴィウラが栽培されます。

2.リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)

葡萄畑はスペイン中央部のウルビオン山を水源にポルトまで流れるドゥエロ川沿岸にあります。赤ワインには75パーセント以上テンプラニーリョを使用しなければならないという規則があります。この地域の気候は夏と冬そして昼夜で気温の差が激しい過酷な地域ですが、それが葡萄に良い影響を与えています。そして13世紀ぐらいから気温が安定している地下に洞窟を掘ってそこでワインの熟成をしています。原産地呼称が1982年と遅かったのは、それまで各都市それぞれが勝手に管理をしていて1980 年まで評議会が存在しなかったからです。世界中に有名なベガ・シシリアやピングスもリベラ・デル・ドゥエロのワインです。

3.プリオラート(Priorat)

カタルーニャ州タラゴナ県にの山間部で作られるワインで、南仏からやって来たカルトゥジオ修道士達が葡萄を植えワインを作り始めたのが起源です。山岳地帯の畑は急斜面で機械化が難しく手間がかかり、スレート質の土壌で栽培されるので収穫量が少ないのでワインの値段が高くなります。フィロキセラの被害はプリオラトにも及びワイン製造業者が激減しましたが、20世紀の中旬に何人かの実業家がワイン造りを始めると、接ぎ木による栽培を成功させました。葡萄の種類はガルナッチャ、カリニェナ、マスエロが主ですが、最近はフランス種の栽培も行っています。

4.ヘレス(Jerez)

シェリー酒はアルコール強化ワインでブランデーを混ぜることで度数を上げています。葡萄はヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、プエルト・デ・サンタマリア、そしてサンルカール・デ・バラメダを線で結んだ三角地点で栽培されます。土地はアルバリサと呼ばれる吸水力がある白い土で空洞が多いので夏の暑さも問題ありません。葡萄はドライシェリー用のパロミノ種と糖分が高いペドロ・ヒメネスを使用しますが、モスカテルも栽培されています。ドライシェリーの樽内はわざと五分の一ほど空気を入れ、それによってワインの表面にカビによる膜ができワインを酸化させません。更にソレラ様式によりワインの味が毎年一定させるようにしています。

紹介者: プロフィール

平橋 弘行 (ひらはし ひろゆき)

PSM Adventure代表

弊社は通常の個人・グループ旅行の手配以外にも、独自のネットワークでサンティアゴ巡礼、村巡りの旅、料理教室、オリジナル海外挙式、サッカー合宿などの特殊な手配も行っております。スペインをもっと奥深く知りたい方にはとっておきの穴場をご紹介いたします。
Web: https://go-spain.es